脚本 つげくわえ・劇団むう
「あーした天気になーれ」
人間のぞうりが飛んできて、てんぐちゃんの鼻に当った!
「イターイ!返してやんない!」
女の子の大事なぞうり・・・。
てんぐちゃんの大事なものは、大てんぐ様にもらった空を飛ぶ時にはく下駄。
かっぱちゃんの大事なものは赤い椿、水の中にはない赤い色。
「皆あるんだね、大事なもの」
友だちのオニ坊は、新しい金棒で石をたたき、びっくりして飛び上がる魚をつかまえていた。
亀じい様の大事な石をこわしてしまい、金棒は深い水底へ捨てられた!
「大変だ、何とかして金棒を取り返さなきゃ、オニ坊は立派なオニになれない」
上演の様子(クリックで拡大)
このお話に思うこと
誰でもある『大事なもの』。
親からもらったもの、友だちからプレゼントされたもの、やっと手に入ったもの
これがないと不便なもの、etc・・・
でもそれだけじゃない。
『大事なもの』は、プレゼントしてくれた人や、もらった人の“思い”や“思い出”がいっぱい詰まっている。
大事だと思う人にしか分からない[気持ち]がいっぱい詰まっている。
だから、大切にしたい、その人の『大事なもの』。
オニ坊や亀じい様が『大事なもの』を失くし、泣いている心に、一生懸命答えようとするてんぐちゃん。
「よい修行をした」と大てんぐ様にほめられます。
ああ、人間は、一生修行ですね。